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訂正。 仲睦まじくと捉えているのは志貴だけ。 「どうした?」 「いや、なんか悪寒が。」 「風邪か?」 ぞくぞくとする背筋に自分の肩を抱いて呟いた茜は覗き込んだ要汰に笑いかけた。 あらためて見ると綺麗な顔立ちをしている要汰は、女の子たちが騒ぐのも無理はないと思う。 これで、もう少し表情も感受性も豊かになれば絶対に言いよってくるのに…。 観賞用にはむいている要汰だが、やはり接近は難しい…らしい。 「正直、杏崎先生が助けてくれると思わなかった。本当に助かった。」 杏崎先生。 もちろん、杏崎 要汰のことを指している。 誰に対しても屈しない。それがたとえ恐い先輩でも、教師でも、それ故に要汰を尊敬と憧れの眼差しで見るものも多く、威厳ある風格にいつしかつけられたあだ名がこれ。 本人も直接的に呼ばれているため、あまり気にはしていなかったが、何度よばれても慣れないのは確か。 「その呼び名はどこのどいつが付けたか記憶はないか?」 「俺に聞くなよ。」 その経緯は茜自身も非常に興味があるらしい。 同年代ならまだしも、先輩に…さらには教師にまで呼ばれるのだから…。 「なに?もしかして呼ばれるの嫌だったりする?」
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