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「ぎ、ぎゃあぁぁああぁ!」
「その化け物でも見たように叫ぶのやめてくれる?」
叫びながら廊下と階段を全力疾走する茜と、
涼しい顔して追い掛ける志貴。
杏崎と茜のツーショットを目撃した翌日、茜を捕まえることに命を捧げているといっても過言ではないほどに、追い掛けて、追い掛けて、追い掛け続けている状況。
最初の標的は茜ではなく杏崎だったのだが、
「去れ。」
の、一言で終わってしまった。
そして、茜へ。
物凄い早さで視界に入ったかと思えば、物凄い早さで去っていく茜と志貴の姿はもはや行事といってもいいのかもしれない。
慣れというのは恐ろしい。
身長、成績は志貴に勝ることは難しいが、運動神経ならば勝るとも劣らない。
必死に逃げる昼休み。
しかし、コーナーを曲がるところで突如として現れる佐倉楓くん。
驚きとともにもつれた足はバランスを崩して床と接触になる前に、志貴の腕が茜の身体を支えた。
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