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「今日七夕祭りだからさー!」
そんな誠の言葉で俺は、さっきまでみていた夢にまたひき戻されたような錯覚に陥った。
「……二! ……竜二! おい聞いてんのかよ竜二!」
どの位の時間放心状態だったのだろう、誠の声でまた現実に呼び戻される。
「あっ!ああ」
何も考えずとっさに返事をしてしまった。
「じゃー!後で迎えにいくわー!」
そう言って誠は電話を切った。
どうやら俺の返事で、今から七夕祭りに行く事が決定したらしい。
しかしそれは深海に眠る得体のしれない生物を目覚めさせたような、そんな取り留めのない不安感を俺に抱かせた。
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