七夕の夜に……(竜二)

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 あれから10年の間俺は七夕祭りに行く事を避け続けてきた。    そうする事で少しは彼女を忘れる事ができると思ったからだった。       しかしこの10年、俺は彼女の事を一時も忘れる事ができないままでいる。      心にポッカリとあいた穴は彼女への思いを何もかも飲み込み、まるで底無し沼のようにいまでも俺の心の中に存在し続けた。      誠との電話を切ってから30分程経ってからだろうか、誠は俺の家に迎えに来た。     そして俺はこの日に 10年の呪縛をとく決心をした。         そう……        これからこの日が運命の日になることも当然知らないままに……
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