七夕の夜に……(竜二)

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 しかし次の瞬間心臓をおもいっきりわしづかみにされたような、胸が熱く苦しくなる感覚に俺は身動きがとれなくなっていた。         「 千春……」    そこには紛れも無く彼女が……      あの日別れたはずの……    もう二度と会う事のできないと思ってた君が……      なぜこの七夕祭りに   この10年間の思いが頭の中で何一つ処理されないまま、今俺の目線の先には彼女がたしかに存在した。      まだ夢の続きなのか?      君がそこにいる。      こんなに近くに君がいるのに10年という年月は、この5、6メートルという距離を縮められずにいた。
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