孤独な門出

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東京という大都市も、少し中心を離れれば自然が見えてくる。停車した際開く扉から、まだまだ肌寒い春の風が入ってくる。電車の揺れは心地よく、サラリーマンたちを眠りに誘うが、私は眠くはなかった。 昔から真面目に勉強してきたつもりだが、聞いたこともない駅でたくさんの人が降りた。みんな小走りで別の電車に乗り換える。どうやらたくさんの電車が交差する駅のようだ。立ち止まりたくはない。私も小走りで東北方面へ迎う電車に乗り換えた。 もう少し北上しよう、そう決めた。
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