孤独な門出

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電車の中はだんだん高校生が増えてきた。朝からぺらぺら喋りながら、堂々と床に座って化粧をする子たちに若さを感じた。私もつい最近まで電車で学校に通う女子高生だったというのに、この違いはなんだろう。 私は床に座ったことはないし、あんなにスカートは短くなかった。化粧は夜更かしで荒れた肌にファンデーションを塗るだけだったし、いつもイヤホンを耳栓代わりにして参考書を読んでいた。毎日勉強漬けだったが、そんなことは全く苦じゃなかった。 そんな高校時代を思い出しながら、だんだん眠くなってきた。そういえば昨日は全然寝てなかったな…
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