2861人が本棚に入れています
本棚に追加
ああ、幸せだな……。
その想いを携えながら、私達は歩き出した。
「そういえば礼は……俺が、礼の夢の続きを知ってるって、もう知ってるみたいだな」
「ええ、田中君が、言っちゃってごめん、って私に謝りに来ましたから」
そして今まで話せなかった分を取り戻すかのように、声を交わす。
「その田中君が言っていましたが……凛さんが、お祝いをしたいから涼風に来い、と言っていたそうですよ」
「むぅ、そっかぁ……。何か色々ほったらかしにしてたからなぁ」
「何か気になる含み笑いをしていましたけど……」
「む、むぅ、果てしなく不安になるな……」
「あ、大学に通う為にアパートを借りたので、後で住所を教えますね」
「え? アパートを借りないといけないような所だったっけ」
「そうですよ……まったく、私は言いましたよ? バスでも電車でもかなりの時間がかかるから、そうなるかもしれないって」
「そ、そうか……じゃあ外国に行って帰ってきたら、真っ先にそこに行くから……」
「っ…………はい……」
最初のコメントを投稿しよう!