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俺は本当にウンザリな気持ちになりながら、机に突っ伏した。
すると後ろから誰かが服の裾をつまんでくる。
後ろを振り返ると、そこに居たのは小学生のように小さな女の子。
思わず迷子? と聞きたくなるくらいに場違いな小ささだ。
しかし彼女は迷子でもなければ小学生でもない。
彼女は俺のクラスメイトだ。
「…決闘って、何?」
「音無か…」
彼女こと音無莉央は小学生のような容姿だが、間違いなく俺のクラスメイトだ。
いつも眠そうな半眼で、喋れば棒読み。
クラスでも少し浮いている。
だが、一部の男子には大人気だそうだ。
理由はあまり追及したくない。
「決闘っていうのはだな、健一が――」
「――っ莉央ちゅわーーんっっ」
言いかけたところで、健一が音無に飛びかかる。
どごっ!
…だかまぁお約束で、簡単に避けられ、健一は机と正面衝突した。
音無は怪訝な顔つきになる。
「…何?」
「気にするな。いつもの発作だ」
「…そう」
ここでついでに健一についても説明しておこうと思う。
健一はバカで、女好きだ。以上。
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