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しかし、先ほどと同じようにいくら辺りを見回しても、その声の持ち主を肉眼で確認できない
「お前は誰だっ!どこにいる!?」
周りを警戒しながら、腰に常備してある携帯ナイフを取り出した
「お前は憎いのだろう?どんな状況に置いてもお前のせいにしてくる村人達が」
「うるさい!お前に俺のなにが分かる!?」
「分かるさ、痛いほどに」
突然、後ろから聞こえるさっきの謎の声
さっきとは比べ物にならない程の生々しくて低い声と、後ろに得体のしれない存在がそこにいるという事実が、俺の頭が認識する
「…な、なんだと…」
その低い声をした人物は、もはや零距離と言っても過言ではないほど、俺に接近している。
これほど接近しているのなら、普通は俺の能力が発動してもいい筈だが、後ろにいる未知の存在は、全く倒れる様子を見せない
「ライフドレインが…効かない…?」
「私なら、お前を助けてあげられる。お前のその孤独から救ってあげられる」
悪魔の囁きのように、その人物は俺の耳元でそう呟いた
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