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「しかし、お前を救うには、村人の存在が邪魔なんだ」
「村人…が?」
「そうだ。だから、お前がその能力で、お前を散々馬鹿にしてきた村人達を殺すんだ。そして――」
その男は、最後に間を開けてから、俺にこう言った
「私と共に、村人達のような愚か者を抹消してゆこう。それが、お前の幸せにも繋がるのだから」
「俺の…幸せ…」
そうつぶやきながら、後ろをゆっくりと振り返る
振り返った先には、黄金の財宝を思わせるような、輝かしいまでの長い髪をした金髪の男性が、俺の瞳をまっすぐに捕らえていた
「…明日の午後1時、山頂の湖で待っている。もし私と共に修羅の道を歩んでいくと言うのなら、今日の真夜中に、村人全員を皆殺しにしろ」
金髪の男はそう告げると、まるで始めからいなかったかのように姿を消した
「俺は…おれは…」
突然の謎の人物による言葉に、俺は数時間に渡り悩みに悩んだ
気付けば、オレンジ色の光が俺を窓から照らしていた。
日が沈むその黄昏は、まるでこれから起こる惨劇を哀しんでいるように見えた
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