家族の詩

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ぼくはユウミン。 この谷に住む妖精だ。 それはさっきも言ったよね。   一応、このお話の主人公なんだけど、ぼくの紹介は後々していくよ。 作者がノープランな訳じゃないから安心してね。   まずは家族を紹介するよ。    ユウミンパパ。 パパはいつもお酒を飲んでいるんだ。 朝から半日飲んでは、午後から半日飲んだりしてる。   一度、どうしていつもビールを飲んでるのか聞いてみた。 するとパパはこう言った。   自分に罰を与える為だよってね。   言ってる意味が解らずにきょとんとしてたぼくにパパは続けた。   「ユウミン、このビールを飲んでみなさい」   「良いの?ぼくまだ子供だよ」   「良いんだ。飲めばわかるから」   ぼくは勧められるままにビールをすすったんだ。   「苦いよパパ」   「そうだろ。 こんなに苦いものを父さんはいつも飲んでる。 それは自分に与えた罰なんだよ」ってね。   何の罪を犯したのかは教えてはくれなかった。   「子供にはわからない事だよ」   そう言ってパパはまた、お日様の高いうちからビールを飲んでいた。
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