スプートニク2号

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 クドには友達がいた。彼女と同じ幼い女の子で、彼女と同じ迷子だったところを拾われた子達だった。  だが、彼女らはすぐに体を壊すことになる。  クドと同じ訓練をし、同じ食べ物を与えられてきたはずなのに、無事訓練を耐えたのは、他ならぬクドだけであった。  他の科学者たちは嬉しそうにしていた。  何しろあの過酷な訓練を、彼女は耐えきったからである。  私は悲しかった。彼女が耐えきったということは、宇宙に旅立たなければならないからであった。
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