とある日

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「なぁ、咲隈ぁ。」 こそっと隆昭が話しかける。   「今日の英語さぁ、ライティングだよなぁ。俺間違えてⅡ持ってきてさぁ…」 「また?」 もう 今月に入って5度目だ。     「ホントごめん。」本当に申し訳なさそうな隆昭。   朱華はふぅ とため息をつき 「しょうがないなぁ。」 と机をくっつける。      ここの学校は毎年 7人近くの東大生を出すほどの公立進学校であり、普通の学校とは違う制度があった。   まず 他クラスの人との教科書ノートの貸し借りは禁止。 また 席の隣同士でディスカスパートナーを組み授業などにおいて全て連帯責任。 は?という感じだがそれが絶対であり もしそれらを破ったなら1週間の謹慎の上、およそ10日分の課題が出される。しかも1日分として、1週間の間。     以前 それのために退学した生徒がいるなんて事実があるもんだから朱華も渋々 隆昭に教科書をみせてやっているのだ。    
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