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「何でこんなことに!?」
なんであたしが狙われなきゃなんないのよ!
通学用の革靴で赤い水を蹴って走り続ける。
たまにぐにゃりとした感覚が足先を支配する。
なんなのこれなんなのこれなんなの!!??
ちょっと洋と和が入り雑じったような部屋のあちこちには赤い染みが出来ていて、むせかえる鉄の臭いがする。
ビチャ……ビチャ……
血溜まりを踏みつけゆっくりと近づいてくる足音は確実に自分の居場所をとらえているように感じた。
なんであたしが……!
ひたりひたりと足音は近づく。
どうして自分が狙われているのか解らない。
あたしはただの高校生なのに……
「お前たちのせいだ」
思っていたよりも高い少年の声がなげかけられ、振り向いた。まだ声変わりしきっていない少年はおそらく中学生くらい。その右手には小銃が握られていた。
「お前たちのせいで……」
睨んだ目はとても少年のそれとは思えないほど荒んで濁っていた。
「なによそれ……意味わかんない……あたしがなにしたっていうのよ……」
少年は赤黒く光る銃口をこちらにむけた。
「とぼけてんじゃねぇよ!!」
左脇腹に殴られたような衝撃が走りその場でうずくまる。
次の瞬間赤いものがにじみ出していた。
「う……そ……」
銃声はしなかった。なのに撃たれている。
なんで……なんで……あたしが……
床に倒れ、赤い水溜まりがはねる。みるみるうちに制服は血で染まっていった。
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