帰省

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兄は特別な想いで授かった子だった。 母は子供が大好きだったが産むことを戸惑っていた。 遺伝する恐れのある先天性の病気を持っていたからだ。 母はその病気で辛い思いをしてきた。 我が子に同じような思いをさせたくないと思うと産むのをためらってしまったのだ。 母は結婚を期に父にそのことを打ち明けた。 父は一緒に育てようと笑ってくれた。 母は産み育てることを決意し、兄はこの世に生を受けた。
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