帰省

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いろんなこと考えている間に実家のある駅に着いた。 車内で母親からメールがあり迎えに来ると言っていた。 タクシーで向かうと断ったがやはり来るようだ。 なんとか動けるくらいは元気らしい。 駅から外に出るとまだ梅雨だというのに雲が少なく青い空が見える。 母親はまだ着いていないらしい。 突然携帯がなった。 「着いたのか?」 画面には知らない番号。 不思議に思いながら誰だかわからないが出てみた。 「もしもし。」 かなり小さく抑えたような声だ。 「山崎ですが上田くんの携帯でしょうか?」 自分の会社の上司だ。 「あ、もしもし。上田です。すいません。直接こちらからの連絡が遅くなりまして。」 「いえいえ。それはいいんですけどね。総務から連絡がありましたから。それより、あのこんなときにあれですけど事務的なことをね。もう社会人ですから。」 そうだ。もう俺は社会人で学校を休むのとわけが違う。 「今回はお兄様ということでうちの会社では忌引が一日となっているんですよ。」 え?たった一日?? なんて会社は冷たいんだ。 たった一日で送ってやれるわけないじゃないか。 葬式に顔出して終わりか? あとでわかったことだが通常3日あるのだが別居の場合はたった一日だけみたいだ。 社長がそのことを知り、あまりにも可哀相だ。なんとかならないかと言っていただいたようだが手続きが必要なため直ぐには変えられなかったらしい。
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