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「同情なら要らない」
あたしは玄関へと向かった
「ッ!?ちゃうで?同情ちゃう」
あたしは立ち止まって誠を睨んだ
「じゃー、なに?」
誠は困った顔をした
「同情ちゃうけど、何か分からん…」
「そう…」
あたしは困るのが分かっていた
わざとそう言ったんだ
「あたしに取り憑くのは勝手だけど、あたしの生活を乱さないで」
彼は黙ったままだった
そうしてあたしたちは学校に到着した
誠はあたしがイジメられているのを知らない
みんなそれを誠が知ったら止めるのを知っていて誠には黙っていた
あたしにとってクラスのみんなは敵
誠にとってクラスのみんなは友達
誠がみんなの姿を見たらショックだろうね…
あたしに憑いたのが悪かったね
あたしが泣かなかったことで余計にみんなから恨まれているだろう
いつもより酷いはずだ
出来れば誠に見てほしくないけどあたしに憑いたのだから仕方ないよね
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