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「おはよう、冷たい女」
クラスであたしを積極的にイジメている一人の澤条 奈留[サワジョウ ナル]
誠が大好きだった人の一人
「朝からウザい顔」
そう言って笑ったのが澤条の親友の笠井 美佳[カサイ ミカ]
あたしは二人の言葉を無視して席に座った
今日は珍しく自分の席が教室にあった
「…美海?」
誠があたしを深刻な顔で見る
「気にしないで。あなたが居ないからみんなおかしいのよ」
あたしはみんなに聞こえないように囁いた
「そっか…それはしゃーないな」
誠は苦笑した
凄く悲しそうに…
あたしは彼を傷つけることしか出来ない
だって本当のことだから…
担任が教室に来てホームルームを始めた
「俺が居らんくても何も変わらんな」
誠は悲しそうに笑った
いいえ、変わるわ
あたしが過去に変わってしまったように…
あなたの側にいた誰かが変わっているのよ
あなたが気づいてないだけ
でも教えない
それはクラスのみんなが悪いように変わったから…
あなたが知ったらあなたは悲しむのをあたしは知っているから言わない
あたしのような人は増えなくていいから
あたしだけでいいから
あなたは傷つくには純粋すぎるよ
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