8人が本棚に入れています
本棚に追加
「美海、ごめんな。体借りるで?」
誠がボソッと低い声で呟いた
「ちょっと、まッ…!!!」
あたしがとめた時にはもう遅くてあたしの中に何かが入ってくるのが分かった
あたしが目を開くと目の前に“あたし”の姿
中身は誠
それを知るのはあたしと誠だけ
他の誰も知らない
澤条と笠井はキョトンとしている
「…なぁ、自分等それが本性やってんな?」
誠があたしの姿で話だす
俯いているから表情は分からないけどあたしにこんな声が出せるのだと思うくらい凄く低い声だった
「な、何よ。いきなり…」
澤条が焦りながら話す
「いきなり誠みたいな話し方しないでよ」
笠井が涙目で言う
「…自分等はずっと美海をイジメてたんやな」
誠は悲しそうな顔をした
そしてすぐに表情が変わった
それは酷く怒っている顔だった
最初のコメントを投稿しよう!