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―ふと気がつくと、私は眠っていたことに気付いた。
「…またあんな夢見ちゃった…」
はあっと力無くため息をこぼす。
入隊したころから頻繁に見るようになった見知らぬ場所で2人の魔導師が戦いあっている夢…。
でも一方は2対の白銀の翼をもっていて魔導師いうよりも…
「天使…」
そう、それは純粋無垢で一点の汚れも知らぬ真っ白な天使という感じだった。
「最近疲れてるのかな?」
そう思い、肩を揉んだりしてみる。…誰かに年寄りくさいとか言われそうだなぁ。
そんなことを考えていると、
『フローライト二等陸士、テストの準備が完了いたしましたので3番のトレーニングルームまでお越しください』
澄んだ女性の声がスピーカーから聞こえてきた。
「……よし、いっちょ頑張ってみますか!」
胸から下がる十字架のペンダントを握りしめて、私は意気揚々と休憩室を後にし、トレーニングルームへと向かった。
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