キノコ

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  森の奥にずかずかと入っていくと、歌声が聞こえてきた。なんだかとても、楽しそうだ。   『♪この世界は全てがでたらめさ~ららら正しさなんて無駄のダ~』   へんてこな歌。誰が歌っているのだろうか。どうやらこのキノコが歌っているらしい。キノコは歌に合わせ、上下にはずむ。もちろん地面に足をつけたままだけれど。   「こんにちわ」   ありすは挨拶してみた。   『♪こんにちわ~こんにちわ~何か~用?』   キノコは歌で返事した。   「あなたの端をもらいたいんだけど」   『♪それはきっと~きっと、大きくなるた~めだね♯だけど~残念~♪♭僕は違うキノコさ』   「他にキノコなんて、見当たらないわ。あなたは嘘をついてるのね?」   『♪違う~違う♯断じて違う~』   「もう、うっとおしいわね!食べてしまおう」   ありすは歌うキノコの端をちぎって食べた。するとありすは歌を歌い始めた。キノコは歌わなくなった。
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