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「なんか、変な気分」
サイズが変わるのが治まると、ありすは机の上に鍵があるか、見上げた。鍵が現れない。本当にミクロほどのものだったのか?
その時ありすは気付いた。勢いよく机の上を払ったが、この部屋が今では広すぎる。鍵は床にも見当たらない。もしかして、吹っ飛んだのかもしれない。
ありすは扉を見つけた。
「もしもし?ドアノブさん?起きてください?」
さっき兎にタメグチだと言われたので、丁寧に聞いてみた。ドアノブは眠り続ける。ありすはめんどくさくなった。
「おいドアノブ!さっさ起きて、ドア開けろや!鼻もぎ取るぞ!」
いっこうに反応がないので、ドアノブの鼻毛を抜いた。
「わぁ~!何するんですか!?止めてくださいよぉ~痛いですよぉ~」
ドアノブが気弱そうだったので、ありすはすぐ話を持ちかけた。
「ドア開けろって言ってんだけど?」
ドアノブはキレた。
「てめぇ人に物頼む態度知ってんのか?あぁ?頭下げて頼めや!!」
ありすは涙目で頼んでみた。
「まあ~僕の義務的には鍵がないと開けちゃ駄目なんですけどぉ~しょうがないから開けますよ~」
ありすは小さくガッツをした。自分の涙で溺れるなんてごめんだ。
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