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ありすが出ていくと、広い空き地があり、真ん中に大きな岩があった。岩の上には甘エビの寿司と、焼き鳥があった。
ありすは、食べたいけど大きくなったり小さくなったりするのはごめんだ。と思い、戸惑っていた。
「おいお前、俺たちを食べようか考えてるんだろう」
寿司が喋った。
「言っとくけど、俺たち本当は海老とハゲタカだったんだぜ。」
焼き鳥が喋った。
「だけどなあ、俺たちは考えたんだ。どうせ腐ってしまうのなら、誰かに美味しく食べてもらおうって。」
ありすには見えた。かつて海老とハゲタカだった二人が、肩を組んで、笑い合う姿が…。んなわけない。
海老だった寿司は言った。
「俺はワサビ抜きだ。その冷蔵庫から、ワサビを取って、つけて食べてくれ」
ハゲタカだった焼き鳥は言った。
「俺はもう冷めてしまった。その電子レンジで温めて食べてくれ」
いつの間にか冷蔵庫と電子レンジがあった。ありすは二人の望みを叶えてあげることにした。
冷蔵庫を開けると、ワサビがあった。しかしありすはワサビが食べれない。寿司にバレないように、マヨネーズをつけて食べた。
電子レンジを開けると、中には蛙の姿焼きがあった。ありすは気持ち悪くなったので、冷たい焼き鳥を食べた。
変化はなかった。
きっと海老とハゲタカは美味しく食され、幸せだっただろう。
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