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雪は俯く。
「なぁ…雪?俺のこと好きだろ?」
俺がそう言うと、雪はバッと顔をあげた。
案の定、顔は真っ赤だった。
「えっいきなり何?」
雪は困ったような顔を俺に向ける。
「俺とだから見たいんだろ?桜咲いてる中で降る雪を。」
俺は真顔で雪の顔を見た。
「うん…。春とだから見たい。」
………………………
……………………
…………………
それから、数年。
俺達は、ある町にいた。
そう…あの写真が撮られた場所だ。
「あの桜かな?」
雪が指差した先を見ると、あの写真に映っていた桜の巨木が立っていた。
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