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無邪気に喜ぶ雪を俺はそっと抱き寄せた。
「春?」
戸惑ったような雪の声に我にかえった。
「わりっ…。」
俺は雪を離すと、なんと雪から抱き着いてきた。
「春…。今なら私はっきり言える。まだ、春が好きだよ。」
雪は俺を抱きしめたまま、そう言った。
「俺も。ずっと好きだった。」
俺は雪の背中に腕を回し、抱きしめ返した。
「素直になれなくて、ゴメンな?」
「うんん。私もそうだったから。でも…やっと見れた。あの時の本物の景色を。春と一緒に…。」
雪と桜が優しく舞い合う中、俺達はやっと素直になれた。
ハルユキ
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