人形の材料

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  あたしは小さい頃から、裁縫は得意だった。始めは布を縫いあわせているだけだったが、ぬいぐるみを作ったり、人形を作ったりとどんどん上達した。   あたしにはあまり友達がいなかったから、いつも人形達と遊んだ。   ある日、引っ越すことになった。お母さんとお父さんが事故で死んだから。あたしはおじいちゃんの家に放りこまれた。あたしは人形を作り続けた。田舎なので、子供は一度も見なかった。   人間の子供はあたしをいじめる。だから人形達がいてくれたらそれでよかった。   ある日、小さな男の子があたしの家に迷いこんだ。金髪の美しい子だった。   男の子はあたしを不細工だと笑い、あたしの友達を投げた。   あたしは悲しくて悲しくて、金髪の男の子を殴り殺した。髪がとても美しかったので、皮を剥いで人形にした。   金髪の人形はあたしのお気に入りになった。   またある日は、可愛らしい女の子が来た。金髪の人形を見て悲しみ嘆いた。あたしに殴りかかってきたので、おじいちゃんの斤で手足を切断した。   肌がとても美しい子だったので、すばらしい人形が出来た。   人形になれば、みんな友達。あたしを傷付けることもない。永遠の友達。あなたも、あたしの永遠の友達にならない?
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