電話

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食べ終えたコンビニ弁当を、ビニール袋で無造作に包み、後ろのトランクに放り投げ、真人は後部座席に寝転がった。 そして目を閉じ、午後の仕事が始まるまで、昼休み残り時間を目一杯使い、昼寝をしようとした。 その時だ。 ブーブー! ブーブー! マナーモードに、切り替えた携帯電話がバイブする。 ややうんざりしながら、液晶を覗くと、さっきの知らない番号からの着信だった。 真人はまた受け取らず、そのまま眠りに就こうとした。 バイブが終わり、平穏を取り戻した車内で、真人はうとうとと睡魔に襲われ始めた。 意識が遠退いて行く感覚が堪らなく心地良くなる。 あと数秒で眠りに堕ちようとした時、またもや携帯のバイブが真人の眠りを妨げた。 「なんだよ!うるせぇな!」 液晶を見るとやはりさっきの知らない番号。 真人は、業を煮やしながらも受け取ることにした。
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