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そんな、貧しいながらも、幸せな親子の生活に変化が訪れたのは、まだ、残暑がキツいある9月の事。
真人が、いつもの様に仕事場へ向かう為、車で国道を走っている時だった。
現場までは、車で約1時間の道程。
真人は、渋滞を避けるため、毎朝6時に家を出る様にしていたのだが、その日は少し寝坊をして、慌ただしく家を出たのが6時10分過ぎだった。
いつもより、少しスピードを上げて、いつもの国道に差し掛かった時の事。
路側帯に、1台の赤い軽自動車が、ハザードを上げて停車しているのを見つけた。
運転手らしき女性が、困った様子で車を見回している。
普段なら気にせずに通り過ぎるのだが、この日だけはなぜか気になり、車を路側帯に止め、女性に事情を聞くことにした。
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