はじめまして。さようなら…。

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僕はいわゆる野良猫。 自慢の真っ白な毛は見た目は真珠のような柔らかい輝きを放ち、触り心地はタンポポの綿帽子。 生まれた時は兄弟もいたし親もいた。 でも皆すぐにいなくなった。 正確には皆がいなくなったというより沢山産まれた子猫の中で飼い主が僕を捨てたんだ。 まぁよくある話だよ(笑) 僕は選ばれたいらない子猫なんだ。 あんまりそのことを考えると身体の血が熱くなる感じがするから考えないようにしてるんだ! 最近は川っぺりの草原で一人で遊んでいると小さな女の子が僕に話かけてくる。 女の子は毎日やってくるようになり僕を見るとニコニコ笑いながら楽しそうに色んな話を僕にしてくれた。 いつも一人ぼっちだった僕にとっては女の子と過ごす時間は宝物だった。 ある日女の子は泣きならやってきた… 女の子が言うには僕を家で飼えないか聞いたけどダメだと言われたらしい。 涙をながしたまま拭いもせず女の子は僕を撫でながら「ゴメンね…」 小さな声で何度もつぶやいていた。 僕は君に笑っていて欲しいんだよ。 君のお日様みたいな笑った顔が好きなんだ。 そんな悲しまないで。 僕の為に泣かないで… どうしたら女の子はまた笑ってくれる? そっか…そうすればきっと女の子は泣かないでまた毎日笑顔でいてくれる 僕は高い高い橋のてっぺんを目指した。 物凄く怖かったけど、女の子の為なら決心は揺るがなかった。 少し時間がかかったけどやっとてっぺんにたどり着いた。 顔をあげて見えたのは大きな空とどこまでも続く川 世界って大きいんだね こんなに大きいんだね 「もう泣かないで 君が大好きなんだ 君の笑顔大好きなんだ だから僕は君の笑顔を絶対取り戻すよ 」 大きな空めがけて僕は飛んだんだ 大きな世界に向かって思いっきり飛んだんだ 「ありがとう。 ただ君に笑っていて欲しい。僕の宝物。 ありがとう。 一つだけ… 最後にもう一度だけ君の笑った顔見たかったよ さようなら… ゴメンね…」
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