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その日は夏休みの3日目だったと思う。
家系会議(パーティー)があったので、僕は祖父母の家に来ていた。
エアコンがついているのに、とても暑かった。
「…晩には神戸の…さんが来るから…で……作らないと…」
祖母が口早く母に指示をだしている。
祖父と父は仕事の話だろうか?話しこんでいる
(…暑苦しい)
大人達の話は当然理解できない僕はテレビをつけた。
「…続いては芸能ニュースです…」なにか含み笑いぎみな司会者から画面が切り替わる。
芸能人の話には興味がまったくないので、ぼーっと眺めていた。
ピアノの音が聞こえる…きれいな旋律だと思う。姉が二階で練習しているのだろう。
不覚だった………僕は完全に忘れていたが家系会議(パーティー)は子供達が大人に芸を見せる慣習がある。姉はそれに向けて練習していたのだ。
しかし、僕は馬鹿なので気づかず、ぼーっとテレビを眺めていた。
「次は各地のすごい小学生た……で、けん…」
…無駄に暑い。頭がどうにかなりそうだ。
「それではどうやっ……」
「…うるさい」
消した。
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