1.魔道書使い、誕生?

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     会長は笑顔で俺を引きずりながら、他の役員に後は任せたと笑顔を振りまく。      こうなっちゃ、誰も俺を助けてくれない。  俺は売られていく子牛のように、ドナドナ歌うしかない。      この場合俺は歌われる方か。      この生徒会長サマは、何を隠そう、この学校の理事長サマの御子息サマでもあるのだ。  容姿端麗、頭脳明晰、文武両道、ついでに天才魔法使い。      アンタどこの物語から抜け出してきたよ?  って聞きたくなる、素晴らしさ。      まるで京さんを見ている気にすらさせられる。      あの人も、うちの一族の例外に漏れず、天才魔法使いなんだよ。  無駄に金があるらしく、家でだらだらしてるけど。     「なあ、凌。  (たかし)おじさんからアレ、もらったんだろ?  俺が手取り足取り、ついでに勉強の面倒もみてやるから……執行部に入らないか?」
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