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「……入らない。
っていうか、アレを受け取るって俺は認めてない」
むしろ認めてたまるかって気分だ。
「皇にぃ、どうしても受け取らないとダメなのかな」
昔の呼び方に戻すと、会長サマ――もとい、皇にぃは優しい笑顔を俺を向け、地面におろしてくれた。
俺が受け取らないと駄々をこねても、周りが困るだけだってことはわかってる。
それに俺に受け取って欲しいと思ってるだろうことも。
それでも素直に頷けない理由もある。
受け取ることは、今までの俺を全否定するんじゃないかって気がしてる。
13年と少しの間、俺は一流魔法使いの家系に生まれながら、魔法がまったく使えない無能というレッテルを張られてきた。
親戚中の人が気軽に魔法を使っていたにも関わらず、俺にはそれが出来なかった。
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