1.魔道書使い、誕生?

13/43
前へ
/331ページ
次へ
    「……入らない。  っていうか、アレを受け取るって俺は認めてない」      むしろ認めてたまるかって気分だ。     「(こう)にぃ、どうしても受け取らないとダメなのかな」      昔の呼び方に戻すと、会長サマ――もとい、皇にぃは優しい笑顔を俺を向け、地面におろしてくれた。      俺が受け取らないと駄々をこねても、周りが困るだけだってことはわかってる。  それに俺に受け取って欲しいと思ってるだろうことも。      それでも素直に頷けない理由もある。      受け取ることは、今までの俺を全否定するんじゃないかって気がしてる。      13年と少しの間、俺は一流魔法使いの家系に生まれながら、魔法がまったく使えない無能というレッテルを張られてきた。  親戚中の人が気軽に魔法を使っていたにも関わらず、俺にはそれが出来なかった。
/331ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2121人が本棚に入れています
本棚に追加