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昼休み、俺は逃げるように校庭の隅で弁当をつついていた。
教室は例の転校生がいるし、へたなところじゃ皇にぃの手下――もとい、生徒会執行部の皆さんがいる。
この学校の中にも俺の心の休まる場所はない。
「凌ちゃん、こんなところでどうかしたの?」
覚えのある声に振り返ると、そこにはなぜか日向さんがいた。
品の良い小袖の着物を着て、その手には大きな包み。
「もしかしてイジメにでもあっているとかかしら?」
しゃがんで俺に視線を合わせてくれながら問われると、なんだか俺が悪いことをしてる気になるから不思議だ。
京さんと日向さんって、ホント正反対な表情の変化をする。
「俺が素直にイジメられるわけないの、日向さんは知ってるじゃないですか。
ちょっと居る場所がなくて、逃げてただけだし」
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