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朝、目を覚まして俺は見慣れない景色をぼんやりと見つめた。
覚えがないわけじゃない。
ただ、「ここは誰、俺はドコ?」って思わず自問自答したくなっただけの話で。
「……やべっ!」
考えること数秒。
俺が“どうして”ここにいるのか思い出して、はね起きた。
家出同然に飛び出して、ここに駆け込んだのが昨日の晩。
この家――ではなく、屋敷の持ち主はいい人たちだ。
両親が魔法使いという、育児放棄にも近い運命にあった俺を、自分の子供のように育ててくれた心優しい夫婦。
俺にとっては優しい伯父夫妻でもある。
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