1.魔道書使い、誕生?

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     *      引きずられている最中に始業のチャイムが鳴ったが、日向さんは俺を解放してくれるつもりはないらしい。  昨日から災難続きだよ、マジで。     「兄上様、日向です」      無駄に立派な扉の前で日向さんが言うと、静かに扉が開いた。そして無駄に広い部屋の奥には、やっぱり無駄に豪奢な机がひとつ。     「わざわざ済まない、日向……」      理事長はどこか京さんに似た顔に笑みを作り、椅子が倒れるのも無視して立ち上がった。  ガシャンって音が、毎度の事ながらやけに響く。     「凌くんまで来るとは思わなかった」      ごめん、やっぱり俺、逃げていい?  俺、この人苦手を通りこして嫌いかも知んない。     「途中で拾いましたの。  それより兄上様、高さんに許可を取らなくてもよろしいんですの?」      いや、そこでどうして、オヤジの名前が出てくるよ?  俺の一挙一動まで、オヤジの許可がいるとでも言いたいのかよ。  
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