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『あー、なるほど。なるほどなー。
二十年ねぇ、どおりで身体が鈍ってるわけだ。うん』
だけどソレは理事長の説明で理解できたらしく、うんうんと頷いた。でもってわざとらしく腕をぐるぐる回すと、それはんっと背を伸ばす。
どうでもいいけどコレ、俺が抱いてる魔道書から出てきたんだよな? それにしちゃあ、やけに人間臭いけど。
『で、お前、誰だっけ?』
ソレは理事長を指さし、頭を掻きながら言った。
それって、肝心なところがわかってなかったって事じゃねぇかよ!
「さすがは高が創っただけのことはあるな。
奈月朔夜だ、さすがに名前まで忘れてはいないだろう?」
『も、もちろん!』
……忘れてたな、絶対。
忘れてなかったとしても、気付いてないと気まずいような付き合いだったな。たぶん。
どうでもいいけど、俺はコレを受け取る気はねぇ。
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