1.魔道書使い、誕生?

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    『あー、なるほど。なるほどなー。  二十年ねぇ、どおりで身体が鈍ってるわけだ。うん』      だけどソレは理事長の説明で理解できたらしく、うんうんと頷いた。でもってわざとらしく腕をぐるぐる回すと、それはんっと背を伸ばす。      どうでもいいけどコレ、俺が抱いてる魔道書から出てきたんだよな? それにしちゃあ、やけに人間臭いけど。     『で、お前、誰だっけ?』      ソレは理事長を指さし、頭を掻きながら言った。  それって、肝心なところがわかってなかったって事じゃねぇかよ!     「さすがは高が創っただけのことはあるな。  奈月朔夜(さくや)だ、さすがに名前まで忘れてはいないだろう?」     『も、もちろん!』      ……忘れてたな、絶対。  忘れてなかったとしても、気付いてないと気まずいような付き合いだったな。たぶん。      どうでもいいけど、俺はコレを受け取る気はねぇ。  
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