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そう俺が言おうと、口を開いた時だった。
『緊急校内放送、緊急校内放送。
第三魔法実習室にて、緊急事態発生。実習棟の生徒は教師の指示に従い避難せよ。ほかの生徒は待機し、職員は対処に向かえ。
これは訓練ではない。
繰り返す、これは訓練ではない――』
けたたましいアラームと共に、緊迫した放送が入る。
第三魔法実習室って、俺のクラスが使ってる部屋じゃねぇかよ。
なんの騒ぎだよ? っていうか、何が起きた!?
爆発なんて日常茶飯事のこの学校で、緊急事態って!
『おい、凌とやら。行くぞ』
呆然とする俺に、ソレは言った。
「ちょっと待てよ、俺が行ったって仕方がねぇだろ?
俺がどんなにオヤジと顔が似てようが、俺は魔法なんてもんは使えねぇんだよ」
ああ、そうだ。
何が起こってるのか不安だし、クラスのやつらは無事なのか心配だよ。
だけど、魔法の使えない俺に何ができるってんだよ。
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