1.魔道書使い、誕生?

29/43
前へ
/331ページ
次へ
    『はっ、そんなもの、この俺には関係ねぇな。俺には大量の魔力と、知識がある。お前はいるだけでいい。    そこにいるやつらを助けたけりゃ、俺に従え。  俺の名を呼べ、俺に名を刻め』      そうすりゃ、俺が力を貸してやる。      ソレは自信満々にいい、俺に指を突き出した。      オヤジは、この魔道書があれば俺も魔法が使えるようになるだろう、とは言った。  俺なら安心して預けられるとも。      俺は一瞬ためらってから包みを開き、現れた革張りの本を開く。  何が描かれてるのかさっぱりわからない図に、オヤジの癖のある字が並んでいる。      ――Takamoto Takashi      そう書かれた下に、俺はポケットからボールペンを引き抜くと書く。      ――Takamoto Shinogu      走り書きでミミズがのたうちまわるような字だが、今はそんなことはどうでもいい。  
/331ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2121人が本棚に入れています
本棚に追加