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実習棟まではすぐにつくことが出来た。
地面を走るのに比べれば驚くほど早かった。
空を飛ぶのが初めてってわけでもないんだが、驚くほど空の旅は快適だった。
開いていた窓から中に飛び込むと、そこには見慣れた顔のやつが倒れていた。
あれは――、
「岩淵、大丈夫か」
顔を叩いて、声をかける。
うめいて意識を取り戻した岩淵は、俺をみるなり驚いたように問い返す。
「おま、今までどこ……にっ」
「んなこと、今はどうでもいいだろ。
何があった!」
「逃げ……るんだ、高本。
魔法を使えないお前は、邪魔にしかならない」
岩淵は階段を指さし、苦しそうに腹を抱えて横になる。
『凌、そいつの腹に手をかざせ』
言われるままに手をかざすと、俺の手の前に光が浮かぶ。
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