1.魔道書使い、誕生?

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     時折壁にもたれかかっているやつらを見かけたが、そいつらで気を失ってるようなやつはいなかった。  不幸中の幸い、ってやつだろう。     「――っ!」      怒鳴るような声がして、それに爆音が続く。  誰かが戦っている。そう思わずはいられないような音。    その音は――近い。  第一魔法実習室、音はそこから響いていた。     『何が起こってても、俺を絶対に手放すなよ』      ドアに手を伸ばした俺に、シキが言う。  俺はそれに頷き、ゆっくりとドアを開いた。     *      教室の中には、ふたりいた。      ひとりは学校の制服を着た――深元透と名乗った転校生。  もうひとりは、見覚えのない男。    ふたりの間には、魔力の渦が見えた。  
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