1.魔道書使い、誕生?

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     言ったのは、シキだった。馬鹿にしたような口調で、それも吐き捨てるように。      ちょっと待てって。    俺は確かにクラスメイトを守れる力を求めたけど、こんな変態と戦うための力を求めたわけじゃねぇんだけど。    つーか、むしろお前が戦いたいんじゃねぇのか?     「魔道書――お前が高本のガキか」      ちょうどいい、探す手間が省けたな。      男は俺の抱く魔道書に気付いて笑う。      じゃあ、何か?  この男は俺を探して来たってことなのか?     「それで岩淵のやつ――」      邪魔だとかでなく、素直に言えばよかっただろ。      あの馬鹿野郎は後でど突くことにして、今はこの男をなんとかすることを考えねぇと。  オヤジの私兵のひとりを倒したつーことは、へたな手は通用しねぇだろう。     「高本のガキ、俺と一緒に来ねぇか?  グラビティの血族であるお前が、こんなところでくすぶってるのは勿体ねぇよ。俺らと一緒に、世界の創造主となろう」      男はそう言って、俺の方へと近付いてくる。  それから俺に手を伸ばし――。  
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