1.魔道書使い、誕生?

42/43
前へ
/331ページ
次へ
     それってどういう意味だよ。  確かに彼女の氷の魔法は失敗してたけど、捕獲って。  それに、レベルAってなに?      俺が皇にぃを振り返ると、ああと頷いた。     「レベルAっていうのは、簡単に言うと“殺さない程度に痛めつけて捕獲”するということ。  余程の差がないと捕獲するのは難しいからな、魔法警察の特務課にはそれが許されてるんだ」      な、なるほど。つまり彼女、あの男を捕獲するつもりでいたくらい強いってことか。  まあ、だてにオヤジの部下じゃねぇってわけだな。     「それを撃退したのち、現在に至る」      言い終えると、彼女は見事な敬礼をして見せた。  まあ、一介の魔法警察官からみれば奈月の直系ってのは敬礼する対象なんだろうけどさ。     「そうか、かえって凌くんを行かせたことが逆効果になったな。この件についてはこちらから高に伝えておこう。  取り逃がしたことについても、不問に処してくれるように伝えよう」      理事長はひとつため息を吐くと、俺と皇にぃを見た。なんだか恨めしそうなのは気のせいだろう。  
/331ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2121人が本棚に入れています
本棚に追加