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こっそり教えてくれたんでもいいじゃないか。
魔法に関わることは、とことん手を抜く主義なんだ。俺は。だから魔法関係の授業は赤点ぎりぎり。
そんなやつがあんな意味不明な質問にすらすら答えられるわけがねぇだろ!
どんなに頑張っても俺が魔法を使えないと知った時から、これは変えてない。
幼い俺がどんなに苦労したのかは……思い出したくもねぇよ。
『それにしても、この学校は随分低レベルな授業をやってんだな』
ソレは俺の頭から降りた。
なんでわかったのかって言うと、声の位置が動いたのもあるが、机に降りた足音がしたんだ。
実体なんてないはずなのに、魔力を無駄にフル活用してまで妙な小細工をしてくれてる。
俺が魔道書以下って言われてる気がして、再起不能になりかけてるんだけど。
事実魔法を使えない俺じゃあ、比べようがないんだろうけどさ。
オヤジよ、これを俺に押し付けたのは俺をいじめるためか?
俺なら安心して預けられるってのは、本当は冗談なのか?
……かなりの確率で、冗談なんじゃないかって気がしてきた。
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