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「魔道書どの、この学校はまだ進んでいる部類に入る。
さすがは奈月の抱える学校だ、教師陣も一流の魔法使いを揃えている」
どこか見下すような調子でいったソレに、深元が言う。
それが事実なのか、俺にはさっぱりわからねぇんだが、まあ、そうなんだろう。
理事長は使えないやつを雇うほど、優しい人じゃねぇし。むしろ、使えねぇと判断したら無情に切り捨てるタイプだろう。
この辺はオヤジとそっくりだ。恐るべき、ハトコの血。
『いや、そういうわけじゃねぇんだ。高がどんな目的があってこの学校にコイツを入れたのかわからなくてな。
あいつのことだ、コイツが生まれた時から俺を押し付ける気でいたはずだ。だったらそのつもりで教育してた方がよかっただろうと思ってな』
顔をあげると、ソレは少し考えるように頭を掻いていた。
マジな話、コレはなんだ?
ここまでしっかりした自我がある魔道具なんてものは、今まで存在していない。
少なくとも契約者が魔法を使えるようになる魔道具――ではないだろう。そんなものが可能だという話も聞いたことがないし、危険すぎて表に出せないはずだ。
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