2.魔道書使い、奮闘?

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     っと、いらんことを考えてる場合じゃない。  胴着を着たやつらが別の方へ歩いていくのを見送って、ひとつ大きな溜息を吐いた。      そもそも、なんで俺、逃げてるんだろ?    俺が逃げてるのは皇にぃからだけのはずで、学校中のやつから逃げる必要なんてなかったはずだ。    う~ん。      別の方向から人が近付いてくるのを感じて、俺は姿勢を低くする。     「いた?」     「ううん、いないよぉ。  2年のおチビちゃん、会長に手配をかけられるなんて、何をしたんだろうね」     「さあ? あたしたちには関係ないもの、興味ないわ。  それより、さっさと捕まえて臨時部費をもらいましょ」      原因はそれかっ!  謎はすべて解けたっ!    つーか、俺をチビって呼ぶなっ!  皇にぃ、何俺に臨時部費なんてもんをかけてくれてるんだよ!     『さすがは朔夜の息子――いや、おじさんの孫だな。  面白きゃなんでもいいってのは、お前ら一族の特徴だ。諦めろ』     「うわぁ、ひでぇ。  今は俺がお前の持ち主なんだからよ、もうす少しいたわりの言葉をかけようって気にならねぇのか?」     『無理だな。  俺の人格の元になってるのは、お前の父親だしな』      文句を言う俺に、それは言ってくれた。  
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