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最悪だ。
これの元が俺のオヤジだなんて、俺が苦労するってのが決まってるようなものじゃねぇか。
いや、押し付けられた時から苦労のしっぱなしなんだけども。
『で? どうするよ?』
うずくまって頭を抱えた俺に、ソレは楽しそうに笑いながら問う。
どうする?
そんなの決まってるじゃねぇか。
「皇にぃにばれないように、さっさと逃げるっ!
それしか俺が生き残る術はねぇ!」
手をしっかと握り、声は出来るだけ押さえて声をあげる。
ちょっと熱血が入ってるのは、昨日読んだ任侠漫画の影響だ。仁義に生きる男たちは、やっぱ、カッコイイよな。
俺の言った言葉は、情けないのひと言に尽きるけど。
『なら、まずは作戦が必要だな。
俺は構わねぇけど、できれば魔法を使いたくねぇんだろ?』
ソレの言葉に、俺は大げさに頷いた。
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