2.魔道書使い、奮闘?

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    『なら、このまま裏門から脱出だな』      シキは言い、大きく呼吸をする。    いや、だから、人間じゃないのにそこまでやるってどうするよ。なあ。     『裏門まで、俺の邪魔になりそうな魔法使いはいない』     「なら、このまま突破する」      左右を確認して、俺は小さく深呼吸して地面を蹴った。     「あ!」      誰かが俺に気付いて声をあげるけど、誰が立ちどまるかっ。     「待てっ!」      待てと言われて待つヤツがいたら、俺が逆に知りたい。    そんな間抜けなやつは、指をさして笑ってやろうじゃないか。  はっはっは。って。     「凌、ストップ」      だけど俺は聞き覚えのある声に、思わず足を止めてしまった。      俺よ、どうしてそこで足を止める。    待てと言われて待つヤツなんていないんじゃなかったっけ?  指をさして笑ってやるんじゃなかったっけ?      あ、でもこれは待てじゃなくてストップ……。  っあぁぁぁっ! どっちも一緒だっ!  
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