2.魔道書使い、奮闘?

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     足を止めて立ちどまった俺を、じりじりと顔も知らない生徒たちがゆっくりと取り囲む。  その向う側に、見慣れた姿もあった。その笑顔がもの凄く怖い。     「シキっ!  邪魔になりそうな魔法使いはいないんじゃなかったのかよっ!」      俺は少し重心を下し、こいつらなら少しくらい蹴っても大丈夫だろうと、腹をくくってみる。    手の方が加減はできるんだけど魔道書を抱いてるし、自業自得つーことで勘弁してもらう。     『言ったな。 “俺の邪魔になりそうなやつ”はいねぇって』      …………はぁ?  それってつまり、皇にぃなんて余裕でヤれるっつーことかよ?     「ふざけんな。  皇にぃはオヤジ以来の天才って呼ばれるような、天才なんだよ。テメェがどんだけ自信があんのか知らねぇけど、無理に決まってんだろ」      俺ができるだけ怒りを抑えた声で言うと、楽しそうな笑い声が聞こえた。魔道書と、人垣の向うからだ。  皇にぃ、俺が褒めたのがそんなに嬉しいのかよ。     『高の、ねぇ。  それなら尚更楽しみだな』      ……もしかしなくても、俺、余計に油注いじまった?  
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