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『おい、皇とやら。
テメェの技量をみてやろうじゃねぇか、雑魚どもを下がらせてサシでやろうぜ』
シキが楽しそうに言うと、皇にぃは取り囲んでるやつらに下がるように言って近付いてくる。
「そのことについては異論はない。
だけど凌を傷つけるだろう結果は遠慮したいね」
そうは言いつつも、皇にぃの周りに魔力の渦が見える。
皇にぃが体内で活性化させた魔力は、かなり大きい。
『おお、すげぇ。
さすがは奈月の、ってとこだな』
シキはそれに感嘆の声をあげて、パチパチと手を叩く音を鳴らす。
音に慌てて姿を探すと、なぜか俺の肩の上にいた。
『だが、ただ活性化させるだけじゃ俺にゃあ、適わねぇな。
最低でもこのぐれぇやってくれねぇと、面白くねぇ』
楽しそうにシキは言うと、パチンと音がなる。
たぶん、オヤジが魔法を使う時のように指を鳴らしたんだろう。さすがはオヤジの性格が元になったやつ。
なんて関心してる間に、俺の周りを取り囲むように魔力が渦巻いていた。
それは皇にぃのそれよりも濃く、力強く渦巻いている。
『今の高がどのくらい出来るか知らねぇが、俺を作った時にゃこのくらいできたぜ』
……さすがはオヤジ。
だてに世界の五指に入るとまで言われてねぇ。
って、ほめてどうする!
あのクソオヤジのせいで、俺がどんだけ酷い目にあったと思ってるんだよ!?
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